有名なお話(微グロ注意)

先日、知り合いのブログ(?)を見たときに思い出した話。それなりに有名な話だと思うので、知ってる人も多いかと思います。ではどうぞ。
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ある男性が中国奥地を旅行していたんですが、その人はバスを乗り間違えて、見知らぬ村のバス停で降りたそうです。
もともと特に細かい予定などを決めていた旅でもなかったので、まぁこれも一興か、ということでしばらくその村に滞在しようと思ったらしいんですね。
で、そのうちに現地の人とも親しくなった頃、そのうちの一人にこう言われたそうです。
「絶対に口外しなければ、面白いものを見せてあげるよ」と。
男性はこんな田舎に何があるのかと興味を持って、その人についていったそうです。
連れて行かれたところは、村から少し離れた森の中で、バラックのような小屋に「達磨」と手書きで書かれていたそうです。
「達磨」なんてたいして面白いものではないけどなぁ、などと思いつつも、ここまで来て帰るのも悪いと思って中に入ってみました…。
室内は妙に薄暗くて、数人の男性たちがニヤニヤしながら中央にある妙に大きな達磨を囲んで酒を飲んでいました。
(なるほど…ここはバーなのか…)とその男性も酒を片手に中央の達磨に近づいていきました。
そこで男性は気づいたのです。男たちが眺めている「それ」がかすかに動いていることに…。そう、それは達磨などではなかったのです。
見世物になっていたのは両手両足を切断された若い全裸の女性だったのです…。
女性はまるで何かの中毒患者のように一点を見つめていましたが、男性と目が合うと、その服装から現地の人間ではないと気づいたのか、震えた声でこう言ったそうです。
「たすけて…私は日本の大学生です…。お願い、日本へ帰して…」と。
しかし男性は恐ろしくなって、見てみぬ振りをして早々と日本へと逃げ帰ってしまいました。それでも良心の呵責に耐えられず、警察に連絡して再びその村へと向かうのですが、その場所にバーはなくなっていたそうです…。
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おわりー。ディテールがこの話と違っても、似たような話を聞いたことはあるかもしれませんね。元々の話は「オルレアンの噂」という話で、フランスのオルレアンに流れた「オルレアンにあるブティックの試着室に入った女性がそのまま行方不明になる」という女性誘拐の話がその原点になっています(あくまで噂とのこと。実際にそのような事件はなかったそうです)。ちなみに上のバージョンは『黒鷺死体宅配便』というマンガの劇中で語られたバージョンです。バリエーションとしては、中国ではなくパリやインドだったりするようです。
けど、この話ってチェーンメールで流れたりもしてたらしいですね。それなら知ってる人も多そうだ。今更過ぎて恥ずかしい…。ただ、この猟奇性がなんともおれの心を掴んで離さないんですよ。元々はただの誘拐話だったのに、手足切断とか、バリエーションによっては目を抉られたりとか、舌を抜かれたりとかいうこともあって、話を変化させる時にますます残酷な方向にアレンジされていくという点に、人間の根本に存在する残虐性というのが垣間見られて興味深いんですよね。
なんかそういう性癖もないのに、「私はS」とか「おれはM」とか言ってる人を見るようでもあります。嗜虐性、被虐性を殊更に語ることによって、発言者の実在を強調するとでも言いましょうか。SだのMだの軽く言ってる奴はサドの著作をいっぺんでも読んでみろ!とか言いたい人間なもんで。サディズムの重みが分かると思います。そんなわけでおれはSでもMでもありませんよ!とわけの分からないアピールをしてみる。