失はれる物語

失はれる物語 (角川文庫)

失はれる物語 (角川文庫)

翻訳体のカクカクした文体に疲れたおれが次に選んだのは、乙一の「失はれる物語」でした。
短編集といった趣の一冊。収録されている「傷」という作品は映画「KIDS」の原作ということらしいですね。
なんか「王様のブ〇ンチ」とかいう番組を見てたら、「切なさの達人」とか言われてて、なんじゃそりゃ、とか思ったんですが、実際ここに収録されている作品は、それぞれが切なさに彩られていました。「幸せは子猫のかたち」という作品では、思わず落涙……。
その一方、「手を握る泥棒の話」とか「僕の賢いパンツ君」では思わず笑わせられたり、「ウソカノ」は内気な少年の妄想そのままだったり。
全編退屈する事無く読了できました。「マリアの指」はちょっとしたミステリっぽくもなってるし、いいもん読ませてもらいました。また乙一読んでみようかな。
とか言いつつ、こちらを買ってきました。
死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

そうです、伊坂です。これまでハードカバーだったんですが、映画化もあってか文庫版で出ていたので購入してきました。
ちょっと読み進めてますが、まぁ楽しく読めてます。他の伊坂の作品と違い、張り巡らされた伏線とかはないですが、設定とかが面白いですね。
これも実は短編集?となっています。サクサク読めるのでこちらもお薦め。